■トーク ロシアの旅あれこれ
第5回 人間力のウネリ
・・・ ロシアに行って帰ってきたでしょ。ロシアに対しては全体としてプラスイメージなの?
ときわ:うん。そうだね。
新美:行かないと解らない事ってあるじゃん?日本にいると、ロシアってのは怖い国、悪い国っていう印象になりがちなんだけど。ロシア人がどういう人達で、どんな暮らしをして、どんな事を感じながら暮らしてるかとかって事はテレビを見てても解んないんだよね。
・・・ うん。直接に接してみないと解んない事はあるよね。
新美:その印象がやっぱり行く前のイメージとは違って。どの国へ行ったってそういうのはあるよね。
ときわ:なんかこう、いい意味で内向的な感じとかは、どこか日本人と通じるものがあって。
・・・ うんうん。
ときわ:あとは勤勉さであるとか、コツコツやっていくとことか。
・・・ うん。
ときわ:あとは、なんかその・・・素朴さとか、素直さとかそういう部分が印象的だった。
・・・ 日本人よりも何と言うか、、、ボクトツとしてるって感じ?
ときわ:そうそう。まさにボクトツとしてる。
新美:僕達が触れ合ったエカテリンブルグの人達はそういう人が多かった。
・・・ ふ~ん。なんか面白い経験をしてきたね。
新美:うん。
ときわ:なんだか不思議な経験でした。
・・・ でもその、何やってても学んだり気づいたりはあると思うけど、特殊な環境だったから、いっぱい得るものとか見えた事とか有ると思うんだけど。
新美:うんうん。
・・・ 何が一番、これを頂いたというか、何か有ります?
新美:自分自身の話になってしまうけど。
・・・ うんうん。
新美:やってきたことが間違ってなかったなって思えた。普段でも、オレはこれが良いと思ってやってた事がさ、評価される事が1割あるとして、そうじゃないのが9割。
・・・ うん。
新美:で、お客さんがあんまり喜んでない感じだな~とかさ、なんだろう、こう、「受け入れてもらえない感」を感じてた時期だったの。お客さんが全然少なかったりとか。
・・・ うん。
新美:で、その中でぽーんとロシアに行って、お客さんに喜んでもらえる状況があったって言う事を、オレも喜んで良いんだろうなって思った。
・・・ それはメチャクチャでかいものだね。
新美:うん。ときわさんの歌も、この方向に向かってきてよかったな~って思ったし。
・・・ ふ~ん。
ときわ:うんうん。
・・・ ときわさん的には何かあります?
ときわ:何か、人の持ってる静かなパワーみたいなモノはもらったね。
・・・ うんうん。
ときわ:自分にもそういうモノがあるんだな~、っていうのは気づかせてもらったかな。
・・・ 両方が弱いと弱いままだけど、どっちかが強いとウネリが強くなるとかあるでしょ?で両方が強いともっと大きくなる。
ときわ:うんうん。
・・・ エネルギーが循環する感じってあるじゃない?ライブとかやると。
ときわ:うんうん。
・・・ そういうものがすごく、ぐおっと大きくウネッた感じだったのかな?
新美:ウネリはあったね。
ときわ:人間力っていうか。
新美:人間力だね。引き出してもらったって言っても良いかもしれない。
ときわ:だから私も「やればできるんだ」っていう。
・・・ (笑)
ときわ:そういう思いがあったね。だからロシアは何かと日本のように何でも便利でそろってる訳でもないけど・・・
・・・ うんうん。
ときわ:そういうところでみんな、一生懸命というか。
新美:ね。便座すら無いところがあったり。
ときわ:そうそう。たまに女子でも便座が無いのよ。
・・・ ???ん? 便座が無いっていうと???
ときわ:(笑)
・・・ フタを開けたらあのまんまってこと??
ときわ:フタも無くて。
・・・ ん???
ときわ:あれ~?と思って。で、びっくりして。
・・・ (笑)
ときわ:で、トイレから出てったら、同行した方が「はじめに言っとくの忘れました。」って。「大丈夫でしたか?」って。
新美:(笑)
・・・ うんうん。
ときわ:「な、なんとか」って言ったら、昔ソビエト時代に便座の生産が追いつかないって時があったらしくて。
・・・ ほ~。
ときわ:で、結構、便座の無い便器がそのまま使われているところがあるって。
・・・ でも、それって、不自由に感じたら付けますわな。それはそれとして受け入れてるって事?
新美:みんなそれで慣れちゃってる。
ときわ:そう、慣れてるの。
・・・ 子供が大変だね。
ときわ:うん。
・・・ 落ちちゃうよね。
ときわ:落ちちゃうね(笑)。
・・・ (笑)
ときわ:そこで、いろいろ鍛えられるのかな(笑)。
新美:ま~、そういうとこも何て言うか、物質文明の逆っていうか。
・・・ うんうん。
ときわ:便座が無くても生きていけるし、みたいなのはあるのかもしれない。
新美:穴があれば良い、という。
・・・ うんうん。なんかあれだね。二人が望んでいる環境っていうか。
ときわ:うんうん。
・・・ 望んでいた環境がそこにぽこってあったのかな。
新美:うん。近い近い。
ときわ:うんうんうん。
・・・ 言語的な事は置いておいてコミュニケイトするっていう。
新美:うんうん。
・・・ 色んな事を置いといてコミュニケイションをし易い環境が、二人ともがやりたい環境がロシアにあったのかな。
ときわ:そうだね。
新美:ちょうど在った。
・・・ しかもみんなウェルカムでっていう。場が整っていたというか。
新美:なるほどね。
ときわ:うん。
(おわり)
(聞き手:永尾ともあき)