■トーク ロシアの旅あれこれ


第3回 良いエネルギーで満ちあふれて


・・・ エカテリンブルグで歌っている状態っていうのは、日本で歌っている状態とそんなに感触的に違うっていうのは無かった?

ときわ:う~ん。エカテリンブルグで歌ってた時は・・・、そうだね。とにかく曲の中に私が入っていければいいと思ってやってたね。あの時は。

・・・ うんうん。

ときわ:だから、あの時はあんまり自分が自分がとか、ロシア人だからとかあんまり考えてもしょうがないって思って。

・・・ うんうん。

ときわ:いかにその曲そのものを表現するか。

・・・ うん。

ときわ:私がその曲の中に入り込めば良いんだろうなと思って。とにかくそれだけだね。

・・・ ふ~ん。

ときわ:だから、その感覚もその時が初めてっだった。日本でそれまでにやってたライブとはまた、違う新たな感覚だった気がする。

 新美:お客さんと、というよりは、割と曲に向かってたね。ときわさんが。

ときわ:うん、そうだね。

・・・ その辺のなんか、聴いて感じたんだけど、信頼関係というか、リンクみたいなのを思ったの。

 新美:あ、ほんと?

・・・ うん。前にどこでだかライブ聴いた事あるでしょ?あん時に感じたのと明らかに違ったから。

ときわ:へぇー。

 新美:曲をひとりひとりにちゃんと聴かせようと。

・・・ きちんととか言ってたよね。

 新美:ちゃんと弾こうと思ってたの。表情をつけて。

ときわ:より繊細にやろうっていうか、何か、わーってやるんじゃなくて。

 新美:演説モードじゃなくてね。

ときわ:うん。「みなさ~ん!」みたいんじゃなくて、ちゃんと細かいニュアンスとかを大事にしようっていうのかな。

・・・ 同じ方向性、同じベクトルに二人でぐってエネルギーをかけてる訳だ。

 新美:だから、ある種追いつめられた状況っていうかさ。

・・・ (笑)

 新美:そういうのが良い方向に向かったっていうのは、間違いないと思う。

・・・ うんうん。

 新美:何かが研ぎ澄まされて。普段はそこまでそんな事を意識せずにやってたとこもあるし。

・・・ うんうん。

 新美:何かこう、不思議なプレッシャーと期待が掛け合わさって、研ぎ澄まされた気がするね。

ときわ:うん。

・・・ ふ~ん。

 新美:そういうのもやっぱり、準備があれだけやってもらえてたっていうのもあるよね。

ときわ:うん。そうだね。

 新美:なんだか良いエネルギーで満ちあふれてたからね。

ときわ:そうそう。温かく迎えてくれたっていうのにも、感謝の気持ちとして返したいっていうのがすごくあった。

 新美:聴く側が引き出してくれるっていう場面もあるんだよね。そうすると、音楽の神様は降りて来やすい状況になるから。

・・・ うんうんうん。で、たまたまそれをPAの本藤さんが録音してくれていたっていう。

ときわ:そうそうそう。

 新美:それもまた奇跡のような話なんだよね。

・・・ すごいね。

ときわ:まさか録音してくれてるとは。

(聞き手:永尾ともあき)

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アルバムについて

in Ekaterinburg

ロシア・エカテリンブルグでのライブ録音盤です。
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