■ロシアの旅 フォト日記〜in Ekaterinburg〜


●その5 一生分の花束


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コンサートホールのロビーでは「日本文化センター」の展示と実演が行われていました。写真展、生花、盆栽、手まり、習字、剣道や着物などなど。ここまで多様な内容だとは本当に驚きました。

こんなにも日本の文化がたくさんのロシアの人たちに愛されているなんて、いち日本人としてありがたい気持ちでいっぱいになりました。

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展示ブースはどこも大賑わいでした。こちらのお習字のコーナーでは好きな文字を書いてもらえるのです。かわいい双子の姉妹は筆使いも素晴らしかった!

これらの展示を眺めながら、文化の交流が心と心の交流になって、それが真の平和な国際交流につながるんだと思いました。そしてコンサートでも心の交流を大切にしようと決意したのです。歌に流れる心の風景を伝えよう、と。

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さあ、夜をむかえてコンサートが始まりました。会場をお客さんが埋め尽くしています。緊張も最高潮で一曲目を終えると、お花を持って舞台に上がってくる若い男性が。「えっ、まだ全部終わっていないのに?」驚きとうれしさとで一瞬戸惑いました。

それ以降一曲歌うごとに、結局全般にわたってお客さんたちが花を持ってきてくださったのです!何ともありがたく、その気持ちに応えようと演奏を届けました。

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この夜、私たちは一生分の花束をもらったのだと思います。ロシアではお祝いごとなどで花を贈る習慣があって、日本では仏花とされている菊の花も人気だそうでたくさんもらいました。

菊の花の見方がこの日から変わりました。ロシアの人たちのあたたかさをひしひしと感じ、こんなことになるとは想像もしなかった自分を恥じたものです。

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会場いっぱいの方たちに歌とギターを喜んでもらえて、本当によかった…。

コンサートのMCを通訳してくれたユーリャさん(真ん中)は哲学科の大学生。日本語がめっちゃ上手いです。アニメも好き、渋谷109も好き!ロシアではたくさんの才女に出会いました。また、心やさしい紳士たちにも。

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このツアーで気づかされたいちばん大きなことは「好き」の力です。「いいな」と思ったものを心から愛して、すこしもためらわないで素直に向かっていき、とことん情熱をかたむけるロシア人の気質。

理由をつけては諦めてしまいやすい今の日本人が見習うべきところがたくさんあると思いました。

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エカテリンブルグを発つ前、郊外にある修道院ガニナ・ヤマに連れていってもらいました。白樺の広大な森を抜けたそこには美しい教会が立ち並び、絵本の中にいるような光景です。

道中、ご一緒した方のお話に考えさせられました。「ロシアの人たちは日本のことが大好き、でもそれをほとんどの日本人は知らない。片思いというのはそのうちに終わってしまう。そうならないうちに、両国が両思いになってくれれば…」。

マリーナさんがここまで日本文化普及のために尽くしてきたように、お互いの文化を知り歩み寄ることこそ、飛躍してしまうかもしれませんが、国を超えた平和をきずく道となるのでしょう。(おわり)

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アルバムについて

in Ekaterinburg

ロシア・エカテリンブルグでのライブ録音盤です。
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