八方美人と会うと
「私、八方美人だから…」とよく口にする友人。他人に合わせがちで、自分の意見や要求を引っ込めてしまうんだ、と。
いくつかの病を乗り越え、家族のことで苦労もたくさんしてきた彼女。だから…人の痛みを誰よりも分かろうとして、その気遣いがいじらしいほど。そして、何と言っても人の「いいところ」を見つけるのが上手。だから、彼女と会うといつも気分が良くなって帰るのだ。
ある時、駅前を一緒に歩いていたら、車椅子のおじさんがスーパー前のスロープで転んで倒れていた。それを見つけるや否や、私と同じおっとり型だと思っていた彼女が、これまで見たこともない瞬発力で、「だいじょうぶですか!!」と駆け寄った。
「痛いところないですか?」「救急車呼びましょうか?」「ひとりで帰れますか?」
その献身的な様子は、私の知っている中では初めてというくらいで、ちょっと、カルチャーショックのようなものを受けた。
ああ、これだあ…。「八方美人」のもっと奥深い意味に触れたような気がした。彼女のアンテナの鋭さに、改めて、心を揺さぶられたんだ。
Hさん、いつもいい時間を、ありがとう。
2017-02-14 | Posted in ... Blog ... | Comments Closed