ぼけてもはみ出ても

160427

公園の木々が日に日に若葉を増して、えもいわれぬ生命力を感じます。
広場の芝生で裸足になって歩いてたら、よくすれちがう、犬の散歩のコワモテおじいさんが「おお、いいねえ!いいことだ」と話しかけてくれました。

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最近読んだ “認知症をつくっているのは誰なのか ” がとてもいい本だった。我が家族のことでいろいろと調べていくうちにこの本にたどり着いてからは、もやもやしていた霧がすーっと晴れた感じ。ボケてたっていいじゃない。老化に加えてうちはもともと天然もたっぷり入ってる。老いて物忘れが増えるっていう自然現象を、人として正常じゃない、「認知症」だ、って病気として診断して薬で対処しようとする。さらに「認知症にならないためには」と不安を煽る。これはここ10年位前から始まった社会現象。もともと世間はお年寄りがボケることに寛容だったし、親しみをもって接していた。90、100歳でもかくしゃくとしている方もいるが、何歳でボケようが、次々と忘れていようが、人それぞれ。

昔「ご長寿早押しクイズ」というテレビ番組があって、これがひっくり返るほどおかしくて大好きだった。おじいちゃんおばあちゃんのはみ出し発言が痛快、それをまたアッハッハって笑い飛ばす「細かいことは気にするな」という大らかさと達観が、つまらない常識に縛られた若者を楽にさせてくれた。

この本の中の「お年寄りは何十年の経験による分別で生きている」「ただ時間と空間の軸がまわりとずれているだけ」というくだりにすごく納得。私の亡くなった祖父は60代前半でアルツハイマーを発症し、介護していた祖母も母も大変だったと思うが、帽子の代わりにスーパーの袋をかぶるなどの突飛な行動にも面白がって接していた。祖父は最終的には家族も誰だか分からなくなってしまうのだが、ギターをつま弾きながら演歌を歌うのは、忘れることはなかった。


2016-04-28 | Posted in ... Blog ...Comments Closed