エドゥとムヒカの花吹雪

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先週のこと。黄昏時の桜並木の下をぶらぶらした後、楽しみにしていたエドゥ・ロボのライブへ。
大学生の頃、ブラジル音楽の虜になる大きなきっかけともなったのがエドゥ・ロボの音楽だった。当時やっていたバンドで何曲もコピーして、メロディーやコードに酔いしれたりシンコペーションの壁にぶつかったり、ボサノヴァやサンバだけでないバイアォンやフレヴォなど北東部のリズムを知り、深い深い世界に憧れ、もぐりこみ、楽しんでいた。

エドゥはすでに70歳を超えて、自然体に歌う様はかのジョビンを思わせる。唯一無二の楽曲たちがしっかりと軸にある。「歌」なんだ、やっぱり。素晴らしいバンドメンバーは単なるバックではなく、お互いのイマジネーションによって世界がどこまでも広がる。なんて豊かなんだろう。

エドゥのライブも、同時期に来日したウルグアイ前大統領ホセ・ムヒカ氏の講演(YouTubeで見ました)も、経済資本主義の「もっともっと」の欲にまみれたあくせくした社会の中で、豊かさとは何かを改めて考えさせてくれた。人間の生活の中で大切なものとは?おおらかな愛、美しいもの、ゆったりと流れる時間。時を同じくして「パナマ文書」が露呈し世界のあちこちで市民の怒りを買っているが、裏の手など使わず堂々と生きてきた御二方それぞれのたたずまいが桜吹雪と重なり胸の中をさわやかに駆け抜けていった。


2016-04-12 | Posted in ... Blog ...Comments Closed