ありがとう、ハル。

写真 3

書こう書こうと思って、なかなか書けなかったのですが…
先月、実家の愛犬・ハルが16歳で旅立ちました。
20世紀の終わりごろ、実家がカフェを開店して、
ほどなくしてお客さんの知り合いから「もらってくれませんか」と
連れて来られたミックス犬でした。春に来たから、
また2001年宇宙の旅のコンピュータのHALにかけたりして、
名前を「ハル」にしました。カフェを営んでいた13年間、
看板犬としてたくさんの人にかわいがってもらいました。
愛嬌たっぷりで、犬はキライだけど、人が大好きでした。

カフェを閉じてから引越しもあったりの
波瀾万丈な木下家の荒波をよく乗り越えてくれたし、
ハルが来てから家の中が明るくなりました。
もたらしてくれたものは計り知れなくて、
感謝はもちろん、もう、おそれ入るしかないなあと思います。
今年になってからお腹にあった腫瘍が大きくなってしまって、
本人もとても辛そうでやむなく切除手術をしたのですが、
やはり高齢で体力がもたなかったのかもしれません。
お医者さんからも「きんさんぎんさん位ですよ」と
言われていましたから…。

息を引きとった日は冷たい秋雨が降っていて、
降りしきる中を傘をささず、棺に手向ける花を買いにいきました。
悲しい時って雨に打たれる位がちょうどいいんだなぁと思いました。
翌日の火葬の日は、見事な小ハル日和。雲ひとつない空は真っ青でした。
動物斎場にはカフェ時代のお客さんたちも駆けつけてくれて
にぎやかに見送ることができて、私も家族も慰められました。
たくさんの参列者に斎場の人もちょっとビックリしてたみたいです。

お骨拾いのとき、斎場の人に「骨が高齢のわりに白く、
しっかりしていますね」「何をたべていたのですか?」と
感心されました。「かしこい」とかこれまでさんざん
いろんな人にホメられてきたけれど、最後の最後で
骨まで褒められるなんて、さすがだねぇ、ハル。
春にやってきて、秋に旅立ったハル。「冬隣」っていう歌が
心をよぎります。「そこから、みんなが見えるかなぁ?」
今年の紅葉は、ひときわ目に染みたのでした。

 

 


2014-12-10 | Posted in ... Blog ...Comments Closed