芝居小屋にて


昨日は、自転車を20分くらいこいで
下高井戸へ一人芝居を見に行ってきました。
空模様はよろしくありませんでしたが、
雨には当たらずにすみました。

この「壱人芝居・二題」は、友達が所属している
「劇団1980」の企画です。
大道具もない、シンプルな小さな舞台で、
ベテラン俳優さんの鬼気迫る演技、渋い存在感。
演目は太宰治の『男女同権』と、
昭和の初め、多摩川の漁師の生活を描いた『こい』というお話。

『男女同権』、オンナたちが、笑ってしまうほどあまりに悪女すぎて・・・
またそれを汗を吹き流しながら語る老詩人があまりに
憐れに見え・・・話の中にすっかり没頭してしまった。

『こい』は、昔、登戸あたりでは網漁が盛んだったという
のどかな風景が目の前に浮かんでくるようで・・・
また一人の漁師と、一匹の幻の鯉との、友情のような
はかない関係が悲しく美しくて・・・心にしみじみと来ました。

この劇団が主に取り上げるような、
「古き良き、哀しき日本」といった題材を見聞きするの、
私にとっては近頃かなり気持ちがいいのです。
現代人が(私も含めて)心豊かに、生命力いっぱいに
生きるヒントをもらえるような気がして。
2007-09-05 | Posted in ... Blog ...No Comments » 
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