■本日のお客さま 第1回 米倉めぐみ 手紡ぎ作家
ときわ 小学生の頃からずっと編み続けている感じですか?
よね そうね。子供のうちはお友達と遊んだりとか、中学・高校に上がってからはお勉強とか、いろいろやらなきゃいけないことがあるけど、違うことをしていても、涼しくなってくると、「あ、作りたいな」と思うんですよね。
ときわ へぇ~。
よね 高校生ぐらいからは、編み物の本を見ながらやれば、教わらなくてもひと通りはできるようになってましたね。
ときわ へぇ~! でも、セーターとか、私からすれば想像を絶した域です(笑)。
技術的にこう、つなげる所とか。
よね 肩の所を減らすとか、袖の所を減らすとかね。
そこが、たぶんひとつのネックだと思うんですよね。
ときわ そういうのって、編み目の数とか計算されて決まっているんですか?
よね 袖ぐり(※肩にそって入れ込むライン)の所は、まっすぐ編んでもいいんだけれど、減らし目(※編み目の数を減らすこと)をした方がきれいなんですよね。
その方法も、本を読めば全部分かりますよ。
最初は難関だと思うけれど、ひと通りできるようになれば慣れてきます。
私も大人になるにつれて「これくらいの大きさでいいのかな」って見当つけてできるようになってきましたから。
ときわ すごい。
よね 編み物が好きだったんでしょうね。すごくがんばったつもりもないので……。
ときわ 気がついたら編み始めてた、みたいな。
よね そう。なんか、やめられない。一種の中毒みたいな……楽しいんですよね。
ときわ いまは、毛糸を紡ぐところからやっているんですよね。
よね そう。セーターとかマフラーを作っていると、だんだん材料が気になってきて。
「この糸はどうやって作るんだろう」なんて思っちゃう(笑)。
ときわ へぇ~。
よね 糸から紡ぎ始めたのはわりと最近、といっても8、9年くらい経つのかな。
「糸ってどうやって作るんだろう」と思ってたときに……。
あの、自分が何かを強く思っていると、意識するようになるせいか、むこうからやってくるじゃないですか。
ときわ うんうん。分かります、分かります。
よね そんな感じで、手紡ぎを教えてくれるお店を見つけたんです。
原毛とかウールの材料屋さんなんですけど、そこに行くと、手紡ぎが一日で覚えられちゃうんですよ。ぜんぜん難しくないの。
ときわ ほんとですか!
よね 手紡ぎって、自転車の乗り方に似ているんです。
なんとなくやり方が分かれば、あとは別に教わらなくても好きなように乗れちゃう感覚。
ときわ ははぁー。
よね 一日、二日で覚えちゃう。で、手紡ぎ車っていうのも、すごい高価なものではなくて。わりとお手頃に、誰でも買えちゃうものなんですよ。
ときわ そうなんですか? 大きさ的にも手頃な感じ?
よね そうね、大きさはちょっとあるかな。昔の足踏みミシンくらい。
ちょっと場所は取るけど、見た目もかわいらしいですよ。
ときわ ふう~ん。
よね それで手紡ぎ車を買って。手紡ぎを教えてくれた材料屋さんで、ウールとかアルパカとかシルクとか麻とか、綿もあったかな。
とにかく「これを紡いでみたいなー」と思う原毛を、買っては紡ぎ、買っては紡ぎ……。
ときわ 原毛というのは、こう、モコッとした感じで売っているんですか?
よね そうです。これは染めてあるので色がついてますけど。
ときわ これが原毛なんですね。
よね コーミングといって、櫛をかけて、ゴミを取ってきれいにしてあるものです。
ときわ はぁ~、ゴミがついてたりするんですね。
よね ひつじのオシッコとかついてたりするので(笑)、全部きれいにして、洗った状態で整えて売っているものがあるんです。
ときわ へぇ~。
よね これ以外は、植物染めをしたものです。
ときわ ふむふむ。
よね これが、ひつじのナチュラルな色。こんな色のひともいるんですよ。
ときわ これが、ひつじくんですか!(笑)。
なんだか、このままセーターにしたいくらいな色ですけど。
よね そうなの、そうそう。
ときわ いい感じの茶色ですよね。
よね うん。もっと濃い茶色のひともいるし、真っ黒なひともいるし、グレーのひともいます。
ときわ それは、ひつじの種類で違いがあるんですか。
よね あります、あります。品種によっては、一頭なのにいろんな色が混ざってるひともいたりして。
ときわ それは……楽しいですねえ。人間にもいろんな人がいるように、ひつじの毛も、いろんなタイプがあるんですね。
  (つづく)