■本日のお客さま 第3回 石山和男 サンビスタ
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【石山和男】(いしやま・かずお) |
| ときわ |
今日は日本のサンビスタのカズさんにお越しいただいております(笑)。 |
| 石山 |
間違いなく、サンビスタです(笑)。 |
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| ときわ |
ブラジルには、低音が魅力の女性歌手が多くいますよね。 シモーネ、マリア・ベターニア……。 |
| 石山 | マイーザとかね。 |
| ときわ | 最近だと、イヴェッチ・サンガーロもいますね。 |
| 石山 | うん。 |
| ときわ |
その中でも特に、私はシモーネが大好きなんです。 いまの日本ではあまり知られていないんですが、かつては来日したこともあるし、日本盤のアルバムも出しているんですよね。 |
| 石山 | うんうん。 |
| ときわ |
今日は、その当時にレコード会社でシモーネの担当ディレクターだったカズさんに、来日当時のお話をぜひ伺いたいなと思って。 |
| 石山 | 思い出しましょう(笑)。 |
| ときわ |
カズさんがシモーネを最初に知ったきっかけは、やはりレコード会社にいらしたときなんですか。 |
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| 石山 |
そう。EPIC/SONYっていうレコード会社にいて。そこは、CBS/SONYの兄弟会社としてスタートした会社だったの。 僕は、そこに新卒一期で入社したんですね。 |
| ときわ | はい。 |
| 石山 |
だけど、まだ会社としてどのアーティストも売れていない時期で。 制作担当が、毎朝朝礼で売り上げを発表するんだけれど、「誰々が3枚」とかね。 |
| ときわ | ほ〜う。 |
| 石山 |
邦楽も全然売れてない頃だったし、「こんな会社に入って大丈夫なのか?」と思うような状態だったんです。 |
| ときわ | へぇ〜。 |
| 石山 |
もともとは、アメリカにEPICという、後にマイケル・ジャクソンが育っていくレーベルがあってね。 そこにはもうひとつ、CBSインターナショナルというレーベルもあったんです。 |
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| ときわ | はい。 |
| 石山 | で、EPICが契約していたアーティストに日本で売れている人が少なかったこともあり、日本の親会社のCBSソニーからCBSインターナショナルというレーベルをもらったんですね。 その頃は、いま以上にヒットチャート重視の時代だったんだけど、売れているアーティストなんて全然いなかったの。 |
| ときわ | ええ。 |
| 石山 |
僕は入社して2年目にディレクターになったんだけれども、そのときに、そのときに、「CBSインターナショナルのアーティストの面倒も担当してくれ」ということになった。 それからは、毎月とんでもない量のレコードが送られてくるんです。イスラエルとか、ケニア、コロンビア、トリニダード・トバゴとかから。 それを1枚1枚聞いていく。もう、山のように積み上げられるくらい。 |
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| ときわ | ええ〜(笑)。 |
| 石山 |
会社に小さなブースがあって、そこで寝る間も惜しみながら聴いて。 そんなとき、このシモーネのジャケットがひっかかって。 |
| ときわ |
これがあったんですね。 |
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| 石山 |
やっぱりジャケットからピンとくるっていうの、あるじゃない。裸っていうのもあるんだけど、それだけじゃなくて何か惹かれるものがあるんですね。 |
| ときわ | ええ。 |
| 石山 |
その頃、僕はまだブラジルのミュージシャンをあまり聞いてなくて。 まず、この低い声が女だっていうことが信じられなかったんですよ。「男じゃないの?」って。だけど、よくよく聴いていると、女性で、しかもすごくいいメロディで。 |
| ときわ |
(強くうなずく) |
| 石山 |
当時、僕はスペインのフリオ・イグレシアスという歌手のデビューを手がけたんですね。 それが奇しくも当たって、EPIC/SONYの洋楽部門にもヒットアーティストが生まれてくるわけです。 |
| ときわ | ええ。 |
| 石山 |
そのときのコンセプトが、「大人」だった。大人のマーケットを開発できるんじゃないかと思ったんです。 当時のヒットチャートを賑わしていたのは、子どものためのものばかりで、そこに大人が聴いている音楽は入っていなかった。 |
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| ときわ | そうですよね。 |
| 石山 |
けれども、僕らの会社でフリオ・イグレシアスを手がけて大人のマーケットに投げ込んでみたら、ものすごく当たった。 |
| ときわ | うんうん。 |
| 石山 |
それで余力ができたというか、大人のマーケットを開発したいという狙いもあって、「大人向け」のアーティストを探していたんです。 |
| ときわ | ふむふむ。 |
| 石山 | そのなかに、ロベルト・カルロスなんかもいて、1枚出したんだけど。 |
| ときわ | そうなんですか。 |
| 石山 | そんなときにシモーネを見つけて、音楽情報誌『Latina』(※当時の名称は『中南米音楽』)」の編集者に聞いてみたら、「ブラジルでは、いま最高に人気があるよ」という話で。 他のレコードやビデオ、資料を送ってもらって確認したら、まあこれはすごい!と。 |
| ときわ |
どういうところに、すごさを感じました? |
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| 石山 |
彼女の持っている歌の力、声ですよね。 不器用そうでいて、繊細で、なめらか。 |
| ときわ | ライブ映像も見たんですか? |
| 石山 |
ええ。数十万人規模のライブ映像を見て、フリオ・イグレシアスと同じようなカリスマを感じたんです。 |
| ときわ | ふむふむ。 |
| 石山 |
ミルトン・ナシメントだとか、イヴァン・リンスのようなブラジルの偉大なアーティストすら全然知らない当時の僕にも感じられた。 |
| (つづく) | |







