冬景色とブルガリアン・ヴォイス

散歩コースの神社近くの公園は白銀の世界でした。凍った川でセキレイがつるつるっとひとりスケートしていたのが可愛かったです。カモたちはもっとあたたかい所に移動したのかな?

先日、武蔵野市民文化会館でブルガリアン・ヴォイスのコンサートを聴きました。生で聴くのは3回目です。今回来日したのは「アンジェリテ」というグループ。20人の女性たちがそれぞれ色とりどりの民族衣装を身に纏って登場。ブルガリアといえば、バラも有名です。髪飾りにも花がたくさんあしらわれて、舞台上は花が咲き乱れているみたいに華やか。まさに多様性、本当に素敵です。

さて、あの独特の声の響きと旋律を、生で身に浴びることのできるしあわせ。1200人のホールで完全生音、マイクなし。CDで聴いていると時にはりつめたように聴こえる声も、柔らかく歌っているのが分かりました。時々隣の人と手をつないだり、微笑み合いながら歌う。見ているこちらもにこやかになります。指揮者のゲオルギ・ペトコフさんが指揮をとる曲もあれば、指揮をとらずに歌う歌も寸分の隙もないくらいに息が合う。そしてあの低音。コントラバスの音のようにやさしく重厚に響いてくる。どうしてあんな声が出るんだろう、本当に不思議です。

曲の豊かな表情で、言葉がわからなくても何を歌っているのかが伝わってくる。何かで読んだことがあるけれど、女性たちが畑に出て歌を聴かせると、農作物がよく育つのだそうだ。生命力に訴える周波数があるのでしょうか。人間だけど、人間の音楽じゃないみたい。自然と一体なんだ。神でもない。そこにあるのは草木や、森、川の流れや、動物や、鳥、虫たち。そして村があって、人がいる、という感じ。自然の中にぽん、とほうりこまれたようになるから、心地よく、いつまでも触れていたくなるんだなあ。

ホールを後にして、三鷹の雪を踏みしめながら帰りました。冴え冴えと星も瞬いていました。

 


2018-01-28 | Posted in ... Blog ...Comments Closed