蝉のように

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桜の木の下を眺めてみると、蝉のぬけがらとともに小さな穴も見つけることができます。

” 土から出て太陽に
歌うあの蝉のように
嵐を過ごして
咲く花のように ”

アルゼンチンの女性シンガーソングライター、マリア・エレナ・ウォルシュ(2011年に80歳で亡くなりました)が書き、ギター新美君が日本語訳詞した「Como la cigarra(蝉のように)」は、ライブで歌うとみなさん心のどこかに響くのか、よく感想を言ってもらえる曲です。

これまでの人生と照らし合わせて聴いていた。元気が出てきた。と言ってくださる方もいました。

もともとこの「蝉のように」はアルゼンチンが軍事政権下にあった時代に、民衆の屈しない力を表した歌です。

先日の参院選や都知事選の結果を見ると、これがほんとうの私たちの選択なのか?と思ってしまうところがあります。私たちは蝉たちのように、自分の歌を歌えているのか?それはほんとうに心から歌いたい歌?それとも…誰かが歌ってるから?まわりのみんなが歌ってるから?

人間にも虫たちにも、越えなければいけない嵐の日もあるけれど、その先には必ず待ってくれている太陽。太陽の光はまんべんなく、分断も差別もなくすべての生き物に降りそそぐ。私たちは誰でも自分だけの感覚を頼りに、光に向かって自由に歌を歌えるということを忘れてはいけない。

今日も夕立がありました。嵐とともに土のにおいもしてきます。


2016-08-02 | Posted in ... Blog ...Comments Closed