道のりはつづく

160226

先週愛知県東郷町で聞いた、武藤類子さんの講演会。
原発事故から5年、長い長い道のりを経て、事故の責任を問う裁判ができるようになる、やっと入り口に来たという。「東電幹部強制起訴」と今日のニュースになっていました。未曾有の大人災、先の見えない事後処理と国家ぐるみの闇に、里山で小さな喫茶店を営んでいたひとりの心優しい女性が立ち向かっている。ほんとうに、途方もないことです。

原発は麻薬みたいなものという。
ひとつ作れば立地自治体にどっさりと補助金が下りる。それを当てにしているうちに、もっともっと原発を、と止められなくなる。この地震・火山列島の海岸線にはすでに54基の原発があって、そのうち40年も経っているのを再稼動しようとしている。メルトダウンしても電力会社は対処する術もなく、真実を隠すから海外の援助も得られず、5年経ってやっと事実を認めるありさま。

この日は類子さんの、やわらかくあたたかな語り口から厳しい現実の中にも希望の光が見えるようで、あっという間の3時間の後、会場にいたおじいちゃんも「感動した!」とたまらず声を出していた。そこにいたみなさんが同じ気持ちだったと思う。
「あきらめない。手をつなごう。自分の頭で考えよう。これが3つのキーワードです」と講演の最後に類子さん。道のりはまだまだつづいています。

 

 


2016-02-26 | Posted in ... Blog ...Comments Closed