仁王像と山の花々

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山には、これまでひとつだけ登ったことがあって、
それも実家でかつてやっていたカフェのお客さんに
無理矢理連れて行かれてのことであった。もう10年以上前になるが。
そのお客さんは何でも自分でやる派の器用で多趣味な山男で、
押しの強い性格によって周囲は振り回されたりもしていたけれど、
今となっては全く消息不明になってしまい少々さみしくも思う。
そのオッサンに連れて行かれた安達太良山頂で撮った私の顔ったら…
足腰の疲れと、山のうんちく話を延々聞かされた嫌気で、
仁王像みたいなひどい顔になってる。しかもそれを彼がA4サイズに
拡大プリントまでしてくれたものだから、もうまったく魔除けそのもので、
見るたびに笑ってしまう。オッサンどうしているかな。

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今月のはじめに友人と高尾山に登ったので、
そんな昔のことを思い出していた。もちろん初めての高尾山。
カフェ・ムリウイのかつよさんが高尾山に毎週のように通っていて、
千歳烏山から祖師谷までさらに歩いて帰っているところへばったり
出くわしたものだった。都心からさほど遠くないし、山の規模も
足腰強化にちょうどいい。お寺参りもできるし、お土産屋さんも充実、
美味しいお蕎麦も食べられる。便利で手軽…といったら山に失礼だが、
私のように初心者でも気負わず登れるやさしさのある山なのだな、と
思った。

ふだんから道端の草花を眺めながら歩くのが好きなので、
山独特の花々にも出会えると嬉しい。せっかくだから名前を調べてみた。
いちばん上の写真は「シャガ」。斜面に根っこをはりめぐらせ、
それが土砂崩れ・山崩れを防いでくれるそう。
山林の根元に一面に白く咲いている様はきれいで清々しかった。

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