冬ぼたんがほほえむ

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大台の誕生日という節目の日、
ゆっくりと「和」のものを眺めたいなあと思い「徳川美術館」へ。
まず、同じ敷地内の庭園「徳川園」で鮮やかな冬牡丹たちを愛でました。
冬牡丹は自然咲きの寒牡丹とちがって、春咲きのを温室で育てて
この時期に人工的に咲かせた花のことを言うそう。
ひとつひとつの株に藁の囲いがていねいに添えられているのが
いかにも「箱入り娘」風情で、かわいらしい。
そんな深窓の令嬢たちからでも、花のパワーをじゅうぶんもらい、
時折ぴゅーっと肌をさす北風もなんのその、でした。

徳川園はもともと尾張藩士の大名屋敷だったのが
戦時中の大空襲で建物も樹々もほとんど焼けてしまったそうです。
入り口の重厚な「黒門」は唯一戦火をくぐり抜けた建造物で、
思わず「よかったね」と労いたくなる。しずかに佇んでいます。

この町の周辺も、ところどころ、古い日本家屋が残っているのが
見かけられます。でもほとんどは整備されて、新しいマンションが林立。
もし空襲なんかなければ…古き良き風情の街並みだったのか、それとも
開発の憂き目にあいマンション街になる運命は避けられないのか。
…色とりどりのぼたんは、どんな時代の波がやって来ようと、
陽の光にほほえんでいるようです。

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これは「太陽」という名前の牡丹でした。
美術館で見たものはまた追々に。

 

 


2014-01-25 | Posted in ... Blog ...Comments Closed