たっぷりと!

今日は歌舞伎を見に行ってきました。
http://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/2007/05/post_12.html

昼の部は午前11時から。こんな時間から観劇なんて、
優雅ですよね。全部で4演目、午後4時までたっぷりでした。

歌舞伎座は、高校生の時の「歌舞伎教室」以来。
セリフも難しそうで、ほとんど分からないかも・・・
という不安は、最初の演目「泥棒と若殿(山本周五郎作)」で
吹き飛びました。人情味溢れる物語、ところどころ笑えて、
そして最後は号泣でした。ある決め台詞で、心がぐっと
つかまれ、涙が溢れてきて・・・ああ、こんなさわやかな
感動は、久しぶりです・・・なんだかチャップリンの映画を
見た後のような感覚。

二つめの演目はあの「勧進帳」。
出囃子がずらっと並び、奏でる様は圧巻。そして弁慶、義経、
関所のお役人。広い舞台が見事に美しい。
こちらはセリフが、ゆっくりですが、やはり難しいです。
すみずみまで分かりたい欲望にかられました。
団十郎の弁慶が、動作を決めるところではしきりに「成田屋!」
のかけ声が。「たっぷりと!」なんていう声もありました。
そう、”見得を切る”という言葉は、歌舞伎から来てるんですよね。

三つ目の「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」
まだ若い菊之助の女形がとても艶やか。
台詞が、ゆっくりと落ち着いて、抑揚が気持ちいいんですよ。
日本語はこんなに 美しいのですね。
悲恋の相手役の海老蔵も色っぽかったです。


四つ目は人間国宝・中村芝翫(しかん)の舞「女伊達」。
目が釘付けでした・・・台詞はないのに、繊細でありながら
活き活きとした動きで、登場人物の微妙な感情が
伝わってくるようなのです。
まさに日本が誇る舞台芸術なのですね。

歌舞伎座の中はたくさんの売店が入っていて、演目ごとにある
休憩時間に、お弁当を食べたり、アイス最中を食べたり、
お茶をしたり、お土産屋をひやかしたり・・・と、
いろいろ楽しめるのです。3階席ならばお手頃な値段で、
夢のような舞台をじっくりと味わえます。
こんなに楽しいレジャーがあったなんて!と
発見させてくれた料理人・太郎さん、ありがとう。


2007-05-15 | Posted in ... Blog ...No Comments » 
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