会津柳津

8月7日、会津川口12:33始発・会津若松行きの乗客は
数えるほどしかいませんでした。

むんとする暑さの中、聞こえてくるのは
列車のガタンゴトンという音と
ブヮーンとけだるく鳴る扇風機の音だけ。
このまま、終点若松まで行っちゃおうかな・・・

ゆうべはたくさん寝られなかったし
さっきも暑い中をよく歩いて
しかも温泉で身も心もフヤけて・・・ついウトウト。。。

でも、でも、迫ってくるような山と川、
木々の景色があまりに素晴らしくて
これは東京の電車みたいに、眠って過ごすには
あまりにもったいない!!

途中ですごい橋に差しかかりました。
その時、列車はすこし減速して
ゆるりと鉄橋を渡っていきます。

わー高い!!
遙か下に川!!
そして緑しか見えない!!
スリリングで、この上なく美しい風景でした。
後で調べたら、ここが只見線の風景の大定番、
会津桧原〜会津西方間の「只見川第一橋梁」でした。
あの景色の瞬間
今まで行ったどんな遊園地のアトラクションよりも
心がドキドキワクワク、子供みたいに喜んだ。

もう少し行くと、大きなお寺のいい感じの境内が見えた。
もうすぐ、会津柳津(やないづ)駅だ。
若松まで行ったら、もう山の中ではなくなるし
もっとこのゆったりした山の風景を味わいたいとの思いが
わき上がってきたのと
新潟の大湯温泉での打ち上げで
「柳津はいいところですよ」とみなさんが話していたのを
思い出して、とっさに、13:23下車。

駅舎は立派だけど
無人駅でした。

町の案内パンフレットが
置いてあって
温泉も、見所も
いくつかありそう。

少し見て回って
それで十分ならば
次の16時台の
電車に乗ろう、と
散策開始。


駅から徒歩15分くらいのところに
さっき電車から見えた
大きなお寺「福満虚空蔵尊 圓蔵寺」
がある。

虚空蔵菩薩といえば・・・
一月生まれの守り本尊だ、って
何かの本で見たことあったのよね。
これは、お参りしとかなきゃ、と
一休さんの看板に従って道を進む。


境内は広くてしんとしていて
宝物殿や人形の慰霊碑などをゆっくり見ながら、本堂へ。

お寺の案内板を読んだら
虚空蔵菩薩は丑寅生まれの仏さまでもありました。
私の干支・生まれ月にピタリと当てはまる仏さまが
ご本尊のお寺に参るのは初めて。

ありがたい巡り合わせだなぁ、よし、温泉もあるし
今夜はここに泊まる!と
本堂の縁側で眼下に只見川の雄大な流れを眺めながら 決めました。

本堂の中の鐘に
大きな綱がかかっていて
傍らに
「つなに
のぼらないでください」
と書いてある。

のぼるヤツなんて
いるの??とちょっと
可笑しくなりましたが
それは日本でも
有数の奇祭・
毎年1月7日に行われる
「七日堂裸詣り」が
あるからなのでした。

ふんどし一つの若い男達が
百人、二百人と競い合って
この綱をのぼるそうです。


夕方、観光案内所のおじさんにおすすめしてもらった
国道沿いのそば屋で「たかとうそば」を食べる。
大根おろしの絞り汁につけて食べる、ざるそば。
これだけだとあまりに毒気がないけど
小さなかき揚げが一コついていて、ちょうどよい加減。
とても美味しかった。

この日、泊まった旅館は圓蔵寺の宿坊だった所で
いい具合に古くて、素朴で、温泉も気持ちよくて
早く眠りにつくことができました。
明日の朝、また虚空蔵さん(地元の人たちは親しみを込めて
こう呼んでいた)にお参りに行こう・・・
2006-08-14 | Posted in ... Blog ...No Comments » 
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