やさしさ

映画『明日の記憶』(堤幸彦監督・渡辺謙、樋口可南子出演)を見ました。

広告代理店に勤める49歳の凄腕サラリーマンが若年性アルツハイマー病にかかってしまい、不治の病を抱えて生きること、社会、家族との関わりを描いた物語です。

私のおじいちゃんもアルツハイマーで亡くなったこともあって、この映画、見てみたかったんです。もちろん、謙さんも目当てでした。

いろいろ、私の家族のことを思い出しました。介護をしていたおばあちゃんやお母さんはやはり大変だったろうなあ、と思います。でも、二人ともすごく明るい性格なので、重苦しさよりも、「今日はこんなボケがあったのよ」と笑いある楽しい介護に、中学生だった私の目には映りました。

ボケる前は、まじめで、会社でがんばって働いていたおじいちゃん。
ボケてからのおじいちゃんの思い出も、いろいろあります。
自分のワイシャツだと思って、私の制服の丸襟ブラウスを着て「これから会議だ」と言っていたこと。
帽子が好きで、スーパーのビニール袋を折り目正しくかぶって出かけていったこと。
鍵がかかってなかった誰かの自転車に勝手に乗って帰ってきてしまったこと(これは窃盗ですね・・・!)。
いくらボケても、ギターは忘れなくて、演歌を弾き語りしていたこと。

映画を見て、さらに思い出したことは、おじいちゃんが私たち家族のことも誰だか分からなくなって、そして寝たきりになって、病院のベットで、足をずっとさすってあげていた時、私の心がとてもとても安らいだことです。

生きていくうちで大事なことは、自分を支えてくれる人たちや環境を思いやり、ほんの少しでもやさしさを与えることなのだなあ、と改めて思いました。天然ボケな私は、ついつい忘れてしまいがちなのですが・・・
2006-05-31 | Posted in ... Blog ...No Comments » 
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